「半割れで”避難”臨時情報」が発表された場合

いわゆる「半割れ」ケース

いわゆる「半割れ」ケース[引用元:内閣府「南海トラフ対応方針報告書」]

「臨時情報」の発表前後の「住民生活イメージ」

次に、平穏な日常生活をおくっているところに、(「真夜中に」「早朝に」「昼前後に」「夕刻に」「夜間に」と様々なケースがありうるのですけれども)、突然「いわゆる『半割れ』ケースで<1週間の避難>を呼びかけるレベルの臨時情報」のアナウンスがあって「(『マグニチュード8クラスの大地震』が起きたときに<大地の揺れと津波>によって)被災地化するかもしれない」と知らされる地域で生活している住民の方々の場合ですが、
より具体的には「マグニチュード8クラスの大地震によって『東海地方』で甚大な被害が発生した直後の『近畿地方プラス四国地方』で生活している住民の方々」か「マグニチュード8クラスの大地震によって『近畿地方プラス四国地方』で甚大な被害が発生した直後の『東海地方』で生活している住民の方々」の場合ということになるのでしょう。

この方々の場合には、東日本大震災のときの(岩手・宮城・福島の3県と比べて軽度の被災で済んだ)秋田県民と山形県民の方々の体験されたことが参考になりそうなので、それも加味して考えてみると、以下のような展開になるのが一般的なのではないか、とイメージ化することができます。

「物資供給の減少」「不安心理の拡大」で生活苦社会に変質か

(a)近隣地域で「マグニチュード8クラスの大地震」が発生すれば、(生活インフラも大きくき損した被災地域内で自治体・企業・住民の平常時の活動がマヒしてしまうのはもちろんですが)、その余波が甚大な被害と格闘している被災地域内企業からの物資供給の減少などのかたちで及んでくることによって被災地域外での日常生活にも大きな影響が出てきます。

と同時に、「近隣地域で発生した大地震と数度にわたる余震に由来する揺れ」を(被災地域内より軽度とはいえ)身体で感じ取りつつあるところに、
新聞・テレビとSNS経由で世界中を駆けめぐる「経済的な被害金額を加味すると(東海道メガロポリス内が被災地域化するのですから)『東日本大震災』を上回ることになりそうな大震災関連ニュース」が集中豪雨のようなかたちで降り注いで来ることで、
「自分が生活してきている地域はいつどのようなかたちでマグニチュード8クラス大地震の被災地化するか」と当然ほとんどの方の不安心理は拡大する方向に傾いてゆくことになります。

そのような中で誰かが深く考えずに発した何らかの情報が「火種」となって広がっていくことなどで「『第一次石油ショック』のときの関西地方発の『店頭から消えたトイレットペーパー騒動』」に類した「『パニック買い』に起因する水・食糧・ガソリンなどの『モノ不足』」が(生産の休止や物流ルートの損傷によって起きる)需給の不均衡をより悪化させ、ご自身の生活してきている地域を「発災前に多くの方々が想定していた『近隣地域が被災地化した後の日常生活』」を大幅に下回るレベルの生活苦をともなう社会に変質させてしまう可能性すらある、と言えそうです。

追い打ちになるかもしれない「公私両面での業務量の急増」

(b)また、平常時モードで動いていた社会に上のような不安定化要因が突然入り込んでくるだけでなく、
この地域での最優先事項は「人命を守るために『高齢者』『要介護者』『子供』の近所の高台にある施設などへの<1週間の避難>の実行」となる一方で、(海岸に近いところにあって津波被害を受ける危険性が高い「交通インフラの運休」や「学校の休校」や「病院の外来休診」などを別として)社会システムはいつも通りに維持されます。

ですので、「自治体の場合は『最優先事項の実行』と『様々な場面での減災方法の実践』と『(学校教育・病院運営も含めた)日常業務の遂行』」
企業の場合は『自治体が行う最優先事項実行の支援』と『(使用機器の高所・高台への退避も含めた)様々な減災方法の実践』と『(交通インフラの運営も含めた)日常業務の遂行』」
住民の場合は『自治体が行う最優先事項実行の支援』と『直面させられる可能性がある様々な場面での減災方法の実践』と『(平常時とは違った社会状況の中での)日常生活の遂行』」
といったかたちで手を抜くことができない「やらなければならないこと」が加わってきます。

(もちろん、東日本大震災のときの「がれきが除去されるまで車両で救援物資を届けてもらえなかったし、簡易上下水道施設が破損したので沢の水を飲んで生き延びた」という集落の一員になられた方々に類した、同じ瞬間に先行して被災された近隣地域内のきわめて過酷な境遇に身を置き「生活の質」の大幅な低下と闘っている方々との比較では大変恵まれているわけですけれども)、
「『地域社会の変質などに起因する心労』に加えて、『公私両面での業務量の急増』によって身体面でも悩まされる日々が突然スタートする可能性」を失念されない用心深さをあらかじめ保持されておられる方がより良いことは改めて指摘するまでもありません。

「いのち・暮らし」の守り方(=個々人に求められる自助減災行動メニュー)

「南海トラフ対応方針報告書」中の例示メニュー

では、「このようにイメージ化される被災社会で『生活の質のレベルダウン』をどのようにすれば最小化できるか」ですが、「南海トラフ対応方針報告書」の中で「『”避難”か”警戒”を呼びかける臨時情報の発表』の後に住民がやるべきこと」として例示されている
「(『家具の固定の確認』『家族との安否確認手段の確認』『避難場所・避難経路の確認』『家庭における備蓄の確認』といった)『日頃からの地震への備え』の再確認」と
「(『非常持出袋等すぐに避難できる準備』『転倒、落下物等のない安全な部屋で過ごす』『親戚・知人宅への自主避難』といった)個々の状況に応じた防災対応
については、基本中の基本ですので、「臨時情報の発表」の前から取り組み始めている必要があります。

個別メニューと関連投稿記事

また、多くの自治体サイトには、(「家屋の耐震化」「家具の転倒防止」「防災グッズの用意」「飲食料品の備蓄」「ハザードマップの事前チェック」など)「(多くの方が分かっていてもなかなか実行できていない自助減災行動メニュー」が掲げられていますが、
(「海溝型の地震」であれ「活断層型の地震」であれ地震が突発した後に「施工業者や物品の獲得競争」が激化することは十二分に考えられることですので)、それよりも前に「自助減災行動メニュー」の中で取り組み可能なものは実践しておかれた方がよい、ように思えます。

より充実した「自助減災行動メニュー」づくり

さらに、「『1週間の避難』と『その後1週間の警戒』とを呼びかけるレベルの臨時情報」の発表前には
(a)「ご家庭によっては『高齢者・要介護者・子供の近所の高台にある施設などへの<避難・収容>が確実に行われるようにするための独自調査への着手』か『より安全度の高い南海トラフ対象地域外にある施設などへの<転居・転出>を前もって行っておくための独自調査への着手』」
(b)「<激しい揺れによるエアコンの故障>に代表される物品の破損などに備えた『(夏季に風通しを良くするための<網戸の修繕>や次の大きな揺れによる落下で二次災害の加害者になることを避けるための<吊り下げ型エアコンの床置き化>など)家屋周り物品の整備』」
(c)「停電・断水・ガスの供給停止による耐乏生活(と場合によっては避難所でのプライバシーのない共同生活)などに備えた『(体調が許せば<温水の通年使用中止><冬季の暖房便座・電気敷布の使用中止と(二千円程度の品でもそれなりの機能を持つ)防寒敷マットの導入>や<入浴後風呂水の浴槽内常時保存>など非常時生活とのギャップを小さくする方向への)生活スタイルの変更』」
(d)「南海トラフ対象地域外に心当たりの人や組織があれば『<疎開先になり得るかの打診>と<内約の取り付け>』と『運行していれば利用できる可能性を持つ被災後避難ルートの独自調査への着手』」
などをやれることであれば実行されておかれた方がよりよい、と思えます。

そして、「『1週間の避難』と『その後1週間の警戒』とを呼びかけるレベルの臨時情報」の発表後には、
「(<施工業者や物品の獲得競争の激化>で実行できないことが多発するでしょうけれども、個人でできる<避難・疎開にまつわる調査・打ち合せ>と<やり残した家具の転倒防止作業>をはじめとする)『ここまでに記してきた地震への備え』で不十分なところの補完作業」を行われると同時に、
多くの方が経済合理性に基づいてこれまで選ばれてきた行動を(いつ「停電」「モノ不足」「情報インフラの機能マヒ」などが起きても「生活の質をめぐる最小のダメージ発生」で済ませられるように)
「(『充電率50%以下キープ』を勧めるネット記事が多い)スマホの100%充電常態化」
「(『東日本大震災』以前には50%を割ったあたりで給油する人が多かった)自家用車ガソリンタンクの満タン化」
「(キャッシュレス決済率100%ではない)現金を使うこともある物品購入」
といった非常時モードの行動に切り替えられた方がよりよい、と思えます。