「南海トラフ対応方針報告書」の概要

南海トラフ地震の想定震源域

南海トラフ地震の想定震源域[引用元:内閣府「南海トラフ対応方針報告書」]

「”半割れ” ”一部割れ” ”ゆっくりすべり”」で「臨時情報」を発表

まず、「最終報告書に書かれていること」についてですが、
(この最終報告書はこれまで私が閲覧してきた様々な官庁・自治体作成の防災関係書類の中では<2015年に東京都が全世帯に配布して大好評だった「防災ブック『東京防災』」に準じるレベルで>分かりやすく書かれていますので、「南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応のあり方について<概要版 (PDF形式:1.52MB)>」に直接ご自身で目を通されることを強くお勧めいたしますけれども)、
ザックリまとめると次のようになります。

「防災ブック『東京防災』」については次の投稿記事をご参照ください。

「臨時情報の出し方」についての検討作業結果

(1)「『南海トラフ巨大地震』は、時々刻々『陸側のプレート』の下に『海側のプレート』が沈み込んでいる震源域の中にある『沈み込みが起きない、(その結果すでにかなりのひずみがたまっている)、広大な固着域』内のひずみが何らかの要因で解放(=固着域が破壊)されるときに発生する地震」なのです。

が、(「今後30年以内の発生確率が70%~80%」と想定されている)この巨大地震については多様な起き方が考えられるので「『臨時情報の出し方』の対象を、いわゆる『半割れ』、いわゆる『一部割れ』、いわゆる『ゆっくりすべり』という3ケースの『固着域の破壊の仕方』」に絞り込み、検討作業を進めました。

いわゆる「ゆっくりすべり」ケース

いわゆる「ゆっくりすべり」ケース

いわゆる「ゆっくりすべり」ケース[引用元:内閣府「南海トラフ対応方針報告書」]

(2)このうち、「(陸側のプレートの一部がゆっくりと動く)ゆっくりすべり現象」については(日向灘から四国の中部方向に4ブロックの隣接エリアで順を追っての移動が繰り返されるなど)いくつかの場所で何度も起きていて、それが「固着域」のヘリの部分へ到達するたびに「固着域内のひずみ」を大きくしてきたことが明らかになっています。

が、現状では「『ゆっくりすべり現象』がどのタイミングで巨大地震を引き起こすレベルに達するか」を事前に把握することができないので、南海トラフ地震の被害想定対象地域内住民宛に「ゆっくりすべり観測中に『特異な現象』を確認したとき」にのみ「『(発生するかもしれない)マグニチュード9クラスの本震について<1週間の警戒>を呼びかけるレベル』の臨時情報」を出すことにします。

いわゆる「一部割れ」ケース

いわゆる「一部割れ」ケース

いわゆる「一部割れ」ケース[引用元:内閣府「南海トラフ対応方針報告書」]

(3)また、「(広大な固着域の一部が破壊されてマグニチュード7クラスの地震が発生し起きる)いわゆる『一部割れ』ケース」については15年に一度のペースで発生してきていますけれども、
(『東日本大震災』のときは後に<前震だった>と検証される最大震度5弱のマグニチュード7.3地震から2日後に最大震度7でマグニチュード9.0の本震が起きているので)、
「『南海トラフ巨大地震』でもマグニチュード7クラスの前震があってマグニチュード9クラスの本震につながる可能性」を否定することはできません。

が、発生したマグニチュード7クラスの地震が本震につながらなかったときの方がずっと多いので、
(「『マグニチュード7クラスの地震』で被災した地域」では当然のこととして被災した方々への救援・救出活動を即刻開始する一方)、
南海トラフ地震の被害想定対象地域内住民の中の被災地域外の皆さんには「『(発生するかもしれない)マグニチュード9クラスの本震について<1週間の警戒>を呼びかけるレベル』の臨時情報」を出すことにします。

いわゆる「半割れ」ケース

いわゆる「半割れ」ケース

いわゆる「半割れ」ケース[引用元:内閣府「南海トラフ対応方針報告書」]

(4)そして、
(a)「(想定震源域の半分づつが破壊されてマグニチュード8クラスの大地震が連続して起きる)いわゆる『半割れ』ケース」については、「その前の大地震から最短90年後」を含めて繰り返し起きており、現時点では「直近の前回大地震から70年以上」が経過していますので、最もありそうなケースと考えておく必要がありますし、
(b)「『東側半分が先になるか西側半分が先になるか』『2日後に起きるか2年後に起きるか』などは事前に分からない」にしても、
「想定震源域の半分づつが破壊されればマグニチュード8クラスの大地震が連続発生」、
「想定震源域の半分づつがほぼ同時刻に破壊されれば(『東日本大震災』のような)マグニチュード9クラスの巨大地震の発生」
となる可能性があります。

が、そのどちらであっても(南海トラフ地震は震源域が日本列島の陸地部分に被っているので)「東日本大震災」のときと比較すると各地の震度はより大きくなり津波もはるかに短時間で到来しますから、
(「『マグニチュード8クラスの大地震』か『マグニチュード9クラスの巨大地震』で被災した地域」では当然のこととして被災した方々への救援・救出活動を即刻開始する一方)、
南海トラフ地震の被害想定対象地域内住民の中の被災地域外の皆さんには「『(発生するかもしれない)マグニチュード8クラスの大地震に備えて<1週間の避難>と<その後1週間の警戒>とを呼びかけるレベル』の臨時情報」を出すことにします。

今後の作業

(5)なお、作業部会は今後「公的分野での防災対応の計画づくり」「住民や企業などの防災対応の検討を促すためのガイドラインづくり」「学校や病院などでの防災対応の方向性の明確化」に取り組んでいくことが重要だと考えています。

南海トラフ想定震源域のイメージ

「南海トラフ”前兆”臨時情報」と”いのち・暮らし”の守り方

2019年2月21日