神奈川県での首都直下地震被害想定(6/6)

神奈川県庁資料「震源断層モデルの位置図」

「震源断層モデルの位置図」[引用元:地震被害想定調査報告書(平成27年3月)「第2章 『2.3 震源モデルの設定』」

神奈川県庁による「4つの想定地震」の最大被害想定値

以上をまとめてみると、神奈川県での4つの想定地震の最大被害想定値は、
死者数』が6,660人~173,030人、
負傷者数』が69,420人~314,420人、
死者・負傷者数』が74,380人~467,580人、
全壊・焼失建物棟数』が102,100棟~833,910棟、
『ピーク時避難所避難者数』が779,680人~2,975,440人、
『ピーク時避難者総数』が1,299,470人~4,888,110人、
帰宅困難者数』が610,660人、
エレベータ閉じ込め者数』が9,430人~10,280人
となります。

そこで、これらを上に掲げた推計人口比で読むと、
死者数は県民52人~1,361人に一人、
負傷者数は県民29人~131人に一人、
死者・負傷者数は県民19人~122人に一人、
全壊・焼失建物棟数は県民11人~89人に一棟、
ピーク時避難所避難者数は県民3人~12人に一人、
ピーク時避難者総数は県民2人~7人に一人、
帰宅困難者数は県民15人に一人、
エレベータ閉じ込め者数は県民881人~961人に一人
となります。

ということは、阪神・淡路大震災のときの兵庫県全体での死者・行方不明者は県民863人に一人、負傷者数は県民138人に一人、死者・負傷者数は県民119人に一人、(公共施設や商業施設や工場などを含めない)全壊・焼失住宅数は県民53人に一棟、ピーク時避難所避難者数は県民17人に一人でしたから、
神奈川県での4つの想定地震の最大被害想定値はおおむね阪神・淡路大震災時と同等かより以上のものとなっています。

「内閣府による神奈川県での『都心南部直下地震』の被害想定」は1都3県の平均値をやや下回っていますが、
「神奈川県庁は、『マグニチュード8.5の元禄型関東地震』と『マグニチュード8.7の相模トラフ沿いの最大クラスの地震』についても市区町村別のデータを作成・公表し、共有されるきわめて厳しい被害想定の下で防災対策に取り組んでいる」という認識を県民の方々は改めて持たれた上で、自主防災領域での態勢を整えておかれる必要があるように思われます。