「一部割れで”警戒”臨時情報」が発表された場合

いわゆる「一部割れ」ケース

いわゆる「一部割れ」ケース[引用元:内閣府「南海トラフ対応方針報告書」]

「臨時情報」の発表前後の「住民生活イメージ」

また、平穏な日常生活をおくっているところに、(「真夜中に」「早朝に」「昼前後に」「夕刻に」「夜間に」と様々なケースがありうるのですけれども)、突然「いわゆる『(広大な固着域の一部が破壊されてマグニチュード7クラスの地震が起きる)一部割れ』ケースで<1週間の警戒>を呼びかけるレベルの臨時情報」のアナウンスがあって「(『マグニチュード9クラスの巨大地震』が起きたときに<大地の揺れと津波>によって)被災地化するかもしれない」と知らされる地域で生活してきている住民の方々の場合ですが、
この方々の場合には、東日本大震災のときの(岩手・宮城・福島の3県と比べてかなり軽度の被災で済んだ)首都圏在住の方々の体験されたことが参考になりそうなので、それも加味して考えてみると、以下のような展開になるのが一般的なのではないか、とイメージ化することができます。

被災地域外で日常生活に大きな影響の出てくる可能性は低いが

(a)「気象庁の『震度データベース検索(日本中の震度観測点での2019年2月17日までの50年間分)』」を見ると、
マグニチュード7クラスの地震は(「6.5以上7.5未満」では303回にもなってしまうので「7.0以上7.5未満」に絞ると、年平均1.8回にあたる)88回発生していて、
「最大震度=7」が(『1995年阪神・淡路大震災』と『2016年熊本地震』の)2回「最大震度=6強」が(『2000年鳥取県西部地震』と『2008年岩手県内陸南部地震』と『2011年4月7日宮城県沖地震』の)3回、「最大震度=(『現在の震度6弱』として扱われている<旧基準での6>と)6弱」が8回、「最大震度=(『現在の震度5弱』として扱われている<旧基準での5>と)5強以下」が75回でした。

ですので、(被災地域内では復旧までに長い年月を要する甚大な被害が発生してしまいますが)、「この『臨時情報の発表』の判断要因」となったマグニチュード7クラスの地震が起きたことで、被災地域外での日常生活には大きな影響の出てくる可能性があまり高くないものと推測されます。

「不安心理の拡大」で生活苦社会に変質することも

(b)ですが、数少ない「最大震度の大きい地震」が発生したときには、「震災関連ニュース」が集中豪雨のようなかたちで降り注いで来ることで、被災地域外の住民の方々の不安心理は拡大する方向に傾いてゆくことになるでしょうし、
そのような中で誰かが深く考えずに発した何らかの情報が『火種』となって広がっていくことなどで『<第一次石油ショック>のときの関西地方発の<店頭から消えたトイレットペーパー騒動>』に類した『<パニック買い>に起因する水・食糧・ガソリンなどの<モノ不足>』が需給の不均衡をより悪化させ、ご自身の生活してきている地域を生活苦をともなう社会に変質させてしまう可能性があることについては前もって認識しておく必要がある、と言えそうです。

「いのちと暮らし」の守り方(=個々人に求められる自助減災行動メニュー)

「南海トラフ対応方針報告書」中の例示メニュー

では、「このようにイメージ化される被災社会で『生活の質のレベルダウン』をどのようにすれば最小化できるか」ですが、「南海トラフ対応方針報告書」の中で「『”避難”か”警戒”を呼びかける臨時情報の発表』の後に住民がやるべきこと」として例示されている
「(『家具の固定の確認』『家族との安否確認手段の確認』『避難場所・避難経路の確認』『家庭における備蓄の確認』といった)『日頃からの地震への備え』の再確認」と
「(『非常持出袋等すぐに避難できる準備』『転倒、落下物等のない安全な部屋で過ごす』『親戚・知人宅への自主避難』といった)個々の状況に応じた防災対応
については、基本中の基本ですので、「臨時情報の発表」の前から取り組み始めている必要があります。

個別メニューと関連投稿記事

また、多くの自治体サイトには、(「家屋の耐震化」「家具の転倒防止」「防災グッズの用意」「飲食料品の備蓄」「ハザードマップの事前チェック」など)「(多くの方が分かっていてもなかなか実行できていない自助減災行動メニュー」が掲げられていますが、
(「海溝型の地震」であれ「活断層型の地震」であれ地震が突発した後に「施工業者や物品の獲得競争」が激化することは十二分に考えられることですので)、それよりも前に「自助減災行動メニュー」の中で取り組み可能なものは実践しておかれた方がよい、ように思えます。

被災体験記ノート関連投稿記事

より充実した「自助減災行動メニュー」づくり

さらに、「『1週間の避難』と『その後1週間の警戒』とを呼びかけるレベルの臨時情報」の発表前には
(a)「ご家庭によっては『高齢者・要介護者・子供の近所の高台にある施設などへの<避難・収容>が確実に行われるようにするための独自調査への着手』か『より安全度の高い南海トラフ対象地域外にある施設などへの<転居・転出>を前もって行っておくための独自調査への着手』」
(b)「<激しい揺れによるエアコンの故障>に代表される物品の破損などに備えた『(夏季に風通しを良くするための<網戸の修繕>や次の大きな揺れによる落下で二次災害の加害者になることを避けるための<吊り下げ型エアコンの床置き化>など)家屋周り物品の整備』」
(c)「停電・断水・ガスの供給停止による耐乏生活(と場合によっては避難所でのプライバシーのない共同生活)などに備えた『(体調が許せば<温水の通年使用中止><冬季の暖房便座・電気敷布の使用中止と(二千円程度の品でもそれなりの機能を持つ)防寒敷マットの導入>や<入浴後風呂水の浴槽内常時保存>など非常時生活とのギャップを小さくする方向への)生活スタイルの変更』」
(d)「南海トラフ対象地域外に心当たりの人や組織があれば『<疎開先になり得るかの打診>と<内約の取り付け>』と『運行していれば利用できる可能性を持つ被災後避難ルートの独自調査への着手』」
などをやれることであれば実行されておかれた方がよりよい、と思えます。

そして、「『1週間の避難』と『その後1週間の警戒』とを呼びかけるレベルの臨時情報」の発表後には、
「(<施工業者や物品の獲得競争の激化>で実行できないことが多発するでしょうけれども、個人でできる<避難・疎開にまつわる調査・打ち合せ>と<やり残した家具の転倒防止作業>をはじめとする)『ここまでに記してきた地震への備え』で不十分なところの補完作業」を行われると同時に、
多くの方が経済合理性に基づいてこれまで選ばれてきた行動を(いつ「停電」「モノ不足」「情報インフラの機能マヒ」などが起きても「生活の質をめぐる最小のダメージ発生」で済ませられるように)
「(『充電率50%以下キープ』を勧めるネット記事が多い)スマホの100%充電常態化」
「(『東日本大震災』以前には50%を割ったあたりで給油する人が多かった)自家用車ガソリンタンクの満タン化」
「(キャッシュレス決済率100%ではない)現金を使うこともある物品購入」
といった非常時モードの行動に切り替えられた方がよりよい、と思えます。