Nスペ「スーパー台風 ”海の異変”の最悪シナリオ」

「伊勢湾台風」後に完成した長良川河口堰

「伊勢湾台風」後に完成した長良川河口堰

もくじ

2014年8月に放映されたNHKスペシャルの録画を再見

ところで、「台風21号」よる強風で「『網戸ネット』というガラス窓の防御パーツ」をすべて失ったところから、私は「台風24号」について「ガラス窓が割れたときの対策用品」まで用意することになってしまったのですけれども、
幸いガラス窓は割れなかったので、「台風25号」がやって来るまでの間に、「もし『もっと強い台風』が来襲したらどうすべきか」という問題意識を持って、2014年の8月31日に放映されたNHKスペシャル「スーパー台風 ”海の異変”の最悪シナリオ」の録画を4年ぶりに再見してみました。

「シュミレーション伊勢湾台風」の試算結果

すると、この50分番組は、進行役がNHKの上條アナとタレントのタモリさんで、20分目ぐらいのところから気象学の権威である名古屋大学の坪木和久教授がコメントを加わえていくという構成になっており、その核心部分は
「名古屋大学と京都大学と琉球大学の先生方が、約60年前の『伊勢湾台風』(リンク先:気象庁「1959年台風15号」)が発生したときの気圧配置や風速などの気象データを入力し、(日本の周辺では海水温が上がってきており、今後30年間で0.7℃上がると推定されているところから)海水温を現在よりも0.7℃高くして、スーパーコンピュータを使って試算してみると、
シュミレーション伊勢湾台風』は、発生2日後にピーク時中心気圧が912hPaまで急速降下し、その後ほとんど勢力を低下させず、
日本列島上陸時には(『伊勢湾台風』を4hPa下回る)中心気圧925hPa、最大風速は『伊勢湾台風』を20m/s上回る75m/s、暴風域(=風速25m/s以上)は『伊勢湾台風』より200km広い直径900km、
大阪での最大瞬間風速は(『伊勢湾台風』を23m/s上回る)50m/s、
9時間の暴風域入りが想定される浜松での最大瞬間風速は(『伊勢湾台風』を28m/s上回る)70m/sで東海道新幹線の架線が切断して東西を結ぶ大動脈が分断され、
愛知での最大瞬間風速は(『伊勢湾台風』を35m/s上回る)90m/sで送電網の鉄塔が次々と倒壊して広域停電が発生し都市機能をマヒさせる、
伊勢湾内の四日市には高潮に大波が加わり海水が高さ10mとなって押し寄せてコンビナートの生産施設を破壊する(=産業の拠点が甚大な被害を受ける)、
名古屋市には『伊勢湾台風』のときよりも1m高いmの高潮が来て海岸から5km先の市街地まで海水が押し寄せる、という結果が出た」
というものでした。

お二人の教授による「試算結果」への補足コメント

そして、試算結果を補足して名古屋大学の坪木教授から「例えば、海面水温が高い状態で大気の状態が発達しやすいような条件が整いますと、現在の気候でも『スーパー台風』のようなものがまれには起こると考えてもよいと思います。
また、このシュミレーションでは名古屋が上陸地点になっていますけれども、伊勢湾だけでなく東京・大阪・瀬戸内海地域で大きな高潮が発生することは十分予想されます。
川の氾濫であるとか土砂災害、そういったものにも十分注意が必要だと思います」というコメントがありました。

さらに、ビデオで1シーンだけ出演された(シュミレーションに加わられた先生とは別な)琉球大学の教授の方からは「生活基盤が崩壊した大都市の中で何週間も生活を続けるという事態は非常に恐ろしい」という補足コメントもありました。