「気象系災害」への備え方(その1)
このように「『地球温暖化の影響』が指摘され始める前の数十年間に起きたこと」についておさらいをしてみたことで、
1.「ピーク時『スーパー台風』」はこれまでも何回か発生し、日本列島に接近する過程で「猛烈な台風」「非常に強い台風」「強い台風」「台風」のいずれかまで勢力を落として上陸していた、
2.「ピーク時『スーパー台風』に至らない台風」が発生した場合にも「勢力=非常に強い台風」などのかたちで上陸が繰り返されていた、
3.「(『台風』よりも発生場所・時間・規模の予測が格段に難しい)『集中豪雨・ゲリラ豪雨』」はかなりの頻度で発生していた、
といった事実を知ることができ、
「『シュミレーション伊勢湾台風』規模の巨大災害が発生するか否か」を考えるまでもなく、「『被災された地域の人々のその後の人生を決定的に変える自然災害』は、過去に何度も発生していたし、これからも相次ぐだろうから、近い将来に起き得る発災日に備えておかなければ」と再認識させられました。
ということで、「スーパー台風」に限定することは避け、以下に「『気象系災害』への備え方」という切り口で、「国政への働きかけ」「自治体への働きかけ」「ご自身での情報収集」の順に、お伝えしたいことを書きしるしていきます。
国政への働きかけ
まず、一つ目の「国政への働きかけ」は「気象行政への『予算付け』と『運用改善』」などをめぐってのものですが、
多くの方々は「最近の台風は『進路予想図』の中心軸を進むことが多い」という実感を持たれているものと推測しますし、数十年前の「進路予想図」などと比較すると確かに「台風の進路や勢力についての予報精度」は飛躍的に向上していますから、「現在提供されている『気象情報』」を参照されることには一定の意義があると私も思います。
遅れている「『人口密集地からの避難開始時』決定用高精度予報づくり」
が、米国でのように「数日前から『非常事態宣言』を発して危険が予測できる地域の人々に避難行動を始めてもらうレベル」の予報精度に日本のものがなっていないことは周知の事実ですし、
「『集中豪雨・ゲリラ豪雨』についての予測が不十分すぎるという現状」を改善することに熱心でない政府の姿勢は「『今そこにある危機』レベルのものだと思う」というのが私の率直な感想です。
表現を変えると
「(巨大地震と違ってある程度事前に予測できるので)、何十万人あるいは何百万人単位の人々に『生活基盤が崩壊する前の人口密集地から事前に避難してもらう必要性がありそうだ』と把握できたときには、該当する地域に住まわれている方々に(できるだけ早く、しかも空振りを恐れずに)『(気象庁からの)特別警報』なり『(各市町村からの)避難勧告』を出す必要があって、
その『特別警報』なり『避難勧告』を発災想定時刻などから逆算してできるだけ早い時点で発出するためには今よりも予報の精度を高める措置をとっておかなければならないのですが、
今この点について『だれが、どこで、どういった対策を作成中であるのか』すら東海道メガロポリス地帯にお住いの方々にまったく伝わってきていない」
という現状は異常すぎることのように思えます。
「国会議員に『予測能力の向上』への注力」を働きかけられては?
「では国民の側はどうしたらよいのか」ですけれども、
国会議員は(「比例1位」で選挙前から事実上当選が決まっているような人を別にして)「固い支持者」と「柔らかい支持者」から投票用紙に名前を書いてもらう必要があるので有権者からの声を聴こうとする人の方が多数派のはずですから、
「2015年9月東日本豪雨」や「2018年7月西日本豪雨」などの被災地にお住まいの方には「選挙区内での被災状況を当然理解できている地元選出の政治家」の方々のブログに「(経済効果を強調でき完成物を目に見えるかたちで残すことができる)土木工事だけでなく『(地味だけれども人命の保護と物品の損失縮減に効果があることは明らかな)発災前の予測能力の向上』にも力を注いでいただければ」などという趣旨のメッセージを送られることをお勧めしたいと思っています。
同じ文面のものが大量に届く組織的なメッセージ送信でないと分かれば、注意喚起につながり、行政府と立法府に対して何らかの動きかけを始めてもらえる可能性が高まってくるはずです。
また、議員の方の中には「内閣府や内閣官房に出向中などに防災問題に関係する部門にいた経歴を持つ元お役人」や「ご家族が気象行政にかかわっていたという方」もいらっしゃるでしょうから、経歴や人間関係を確認できて、かつメッセージを受け付ける体制ができている議員の方に対して訴えても上と同じようなことにつながる可能性がありますので、こういった方々に働きかけることも意味のあることだと考えています。
私の記憶違いでなければ「今井議員は物損だけでなく人命にもかかわる気象行政の現場での大変さを垣間見聞きしてきた貴重な政界人のお一人」ということになります。