「防災用ランタン」の選び方と使い方

防災用ランタン

防災用ランタン

「暗闇の中での生活」を避けるための道具

夜間に集中豪雨に見舞われると、
電柱が倒れたり土石流に押し流されるなどして停電が起き、
「真っ暗闇の中で夜明けを待たなければならなくなる地域内での生活」を強いられる可能性があります。

また、ここのところ頻発している火山の噴火とはけた違いに規模が異なる「(310年前の江戸に火山灰を積もらせた富士山の宝永大噴火のような)国際ニュース級の火山噴火」が発生すれば、
火山灰に影響されて火力発電所の運転ができなくなったりして、
「一晩どころではない停電下での生活」を強いられる可能性もあります。

さらに、巨大地震が発生した場合には、
(避難所生活は、ご自身のためにも、より困られている方々に生活空間を譲るためにも、可能であれば回避した方が良いですから)、
転倒したり散乱している家財の中に「食事をとるための最低限の生活空間」を確保するところから始まる個人レベルの復旧作業を、「電気と水と都市ガスの供給が止まった環境の下」で行なうこととなります。

そして、こういった事態の渦中に身を置かれるようになったときに痛感することの一つが「薄暗くなってきた。真っ暗になってしまった。明かりをどうにかしなくては」なのでしょうけれども、
東日本大震災を「非常用の懐中電灯の横置き(=ほのかな明かりの中での生活)」でかろうじて乗り切った経験を基に振り返るとき、
「何で被災の可能性が指摘され続けている環境下で生活していて『防災ランタンの用意の必要性』に思いが及ばなかったのだろうか」と自ら反省することしきりです。

『炎』系と『蛍光灯・LED』系の明かり」へ

「炎」系と「蛍光灯・LED」系の明かり

「防災ランタン」についてアマゾンのサイトで調べてみると、
価格帯は約300円から約80,000円までと幅広く、
しかも、「炎の明かり」グループだけでも
専用ミニキャンドルを使う「マイクロランタン
ガソリン・カセットガス・オイルなどを使う「燃料式ランタン
などがある一方、
蛍光灯・LEDの明かり」グループにも
単一・単三乾電池を使う「電池式ランタン
手回し発電機やソーラーパネルを使う「充電式ランタン
などがあって、
さらに「ランタン兼懐中電灯」や「ラジオ機能付きランタン」といった複合製品も存在する
ことが分かりました。

人気商品は『単一乾電池』か『単三乾電池』を使用」へ

人気商品は「単一乾電池」か「単三乾電池」を使用

また、アマゾンのサイトでカスタマーレビューが100件以上ある製品はすべて「電池式LEDランタン」でしたけれども、

4点あった「単一乾電池使用製品」は
価格帯が2,300円~3,420円、
明るさが240ルーメン~300ルーメン、
ハイモードでの連続点灯(実用点灯)が22時間~90時間

同じく4点あった「単三乾電池使用製品」は
価格帯が1,209円~2,654円、
明るさが100ルーメン~150ルーメン、
ハイモードでの連続点灯(実用点灯)が12時間~約25時間

ですので、
「現時点で人気のある商品は『単一乾電池式LEDランタン』と『単三乾電池式LEDランタン』」ということも分かりました。

大震災時に『ほのかな明かりの中でも』と必要性を痛感」へ

大震災時に「ほのかな明かりの中でも」と必要性を痛感

ところで、「『個人レベルの被災状況』のページ群」内の「自宅での停電と通信の不調」のページに書いたように、
私は東日本大震災の発生直後から2日半の停電を体験し、
「各種電気製品の小さなパイロットランプが一つも点灯していないというある種不思議な真っ暗闇の中で、『非常用の懐中電灯』をテーブル・デスク上に横置きにして、夕食をとったり」しているのですけれども、
その「非常用の懐中電灯」は2月24日付の投稿記事「景気ウォッチャー調査に見る『東日本大震災時の家計動向』」に添付した写真そのものです。

このメーカーでは「使用電球=クリプトン球(2.4V/0.7A)、連続使用時間=約15時間」と公表しているので、
他社のサイトにある「同規格のクリプトン球=16.5ルーメン」と読める記事と、東芝ライテックのサイトにある「明るさの目安は、170ルーメン以上が一般白熱電球20ワットに相当、325ルーメン以上が30ワットに相当」という記述と突き合わせると、
「『非常用の懐中電灯』の明るさは『2ワットの一般白熱電球』に相当していた」と思われます。
また、二つの記事・記述の突き合せ作業から、人気商品の「単三乾電池式LEDランタンは『20ワットの一般白熱電球』をやや下回るレベルの明るさの製品」「単一乾電池式LEDランタンは『30ワットの一般白熱電球』をやや下回るレベルの明るさの製品」と推測されますが、
「真っ暗闇の中」では何もできないのに対して「ほのかな明かりの中」ではそれなりのことができますので、
「防災用ランタン」もまた停電時の必須アイテムの一つと考えます。

『防災用ランタンの常備』のお勧め」へ

「防災用ランタンの常備」のお勧め

アウトドアグッズの一つとしてすでに「ランタン」をお持ちの方は火事や酸欠に気を付けてお使いになればよいでしょうが、
お持ちでない方は、
被災直後はもちろん、第一次石油ショックのときのトイレットペーパーのように何かの報道をきっかけとして、「防災用ランタン」が店頭から一斉に姿を消してしまう可能性も無いわけではありませんので、
(私は東日本大震災の二か月後に全国展開しているアウトドアグッズ店の店頭にあった「UCOのランタン兼懐中電灯」を限られた選択肢の中から購入せざるを得ませんでしたけれども)、
ご自身の置かれている状況や持たれている関心などを考慮された上で、
最適と思われる「防災用ランタン」を選び常備しておかれることを、強くお勧めいたします。

追記事項

(投稿日:2015/03/03  更新日:2020/06/09)

なお、2019年秋の相次ぐ自然災害報道に触れる中で、普段は「携帯用ではない防災グッズ」を収納しているColemanのクーラーボックス(内容積=約26リットル)から「防災用ランタン」を取り出したところ、(UCOはマイクロソフトと同じくワシントン州レドモンドに本拠を置く会社なのですが)、使用されている中国製の乾電池に液漏れが起きていて、当日中の試用はかないませんでした。
が、幸いその後、電池に接する部分の清掃作業を経て使用が可能になりましたので、現在は自宅内の一隅に吊り下げてパイロットランプが時間をおいて短時間点灯するのを確認しつつ災害発生時に備えています。

ただこの製品の場合、
「取り扱い説明」などは保存していたパッケージの両面に英文と仏文で書かれているだけでしたので使い方を再学習するためにはメーカー名と製品型番を入力してのネット記事検索が必要となりましたし、
「連続使用時間が25時間」で「有効期限切れの乾電池は液漏れを起こすことがある」ということを知ったことで有効期限の長い乾電池をこれまでより多く備える必要性にも気づかされました。
防災グッズは備えた後で維持整備も必要になりますので、あえて付記させていただきました。