「賞味期限切れ商品」の試飲食結果

賞味期限切れ商品の一例

賞味期限切れ商品の一例

テストの背景と進め方

賞味期限切れの「カロリーメイト」「果物缶詰」「フリーズドライ味噌汁」「リンゴジュース」「ペットボトル飲料水」「密封パック入り飲料水」を試飲食してみました。

これは、「普段づかいしていたお店が(近くに移転するために)10日間の臨時休業を予定していること」が発表され、「主食」「肉・魚」「野菜・果物」「卵・乳製品」「加工品」といった「食糧品」の調達パターンを全面的に切り替えなければならなくなったところから、
この期間を
2015年3月11日付の投稿記事「Nスぺ『いのちの防災地図』と備蓄の重要性」に記した「東日本大震災の直後に被災3県で爆発的に売れた品々」に代表される商品と
3月16日付の投稿記事「『防災用非常食』の選び方と使い方」に記した「アマゾンの通販サイトに『防災用非常食』として掲示されている商品」
とで過ごしてみようと考え、
自宅内にある飲食糧品の全量調査を行なったところ(圧倒的に少数派なのですけれども)賞味期限の切れた商品が6つありましたので、
万一の事態に備えてかかりつけ医の先生のクリニックがオープンしている日の午前中に限定して「これら商品を飲食した際の体調の変化」を試してみたものです。

カロリーメイトブロック」へ

カロリーメイトブロック

まず、「大塚製薬の『カロリーメイトブロック(4本入り)』」についてですが、9か月前と11か月前に賞味期限の切れていたものを1箱づつ試食してみました。

食べたときには「それほど劣化していないのでは」という印象を持ちましたけれども、
3月8日付の投稿記事「『携帯用非常食』の選び方と使い方」に記した「数日前に食べた1年前に賞味期限が切れたカロリーメイト」のときと違って、
「(下痢には至りませんでしたが)おなかの調子が少し変だ」と感じさせられました。

いまは、
(A)3月上旬に食べたカロリーメイトは(「外出時用防災グッズ」として3ウェイバッグ内に収納してきていた賞味期限切れの常時携帯品だったので)かなり安定した常温で保管されおり品質の劣化が緩やかだった、
(B)今回の二箱は(直射日光を浴びるようなことは無かったけれども)寒暖の差の大きな場所に置いてあったので品質の劣化が早かった、
と解釈しています。

果物缶詰」へ

果物缶詰

また、「国分の『果物缶詰』」についてですが、(ここのところ「果物缶詰」を開缶する必要が無かったところから)冷蔵庫の奥に眠っていた9か月前に賞味期限が切れたものを1缶試食してみました。

食べたときに「これ劣化してるのでは」という印象を持ったので「カロリーメイト」のときよりも不安を感じましたけれども、結果、下痢には至りませんでしたし、「おなかの調子が少し変だ」という程度で終わりました。

フリーズドライ味噌汁」へ

フリーズドライ味噌汁

さらに、「アマノフーズの『フリーズドライ味噌汁』」についてですが、(紙類の山に埋もれていたことで全量消費しきれずに)机の隅の方で眠っていた1年7か月前に賞味期限が切れたものを1パック試食してみました。

フリーズドライ製品に熱湯を注いだ後に食べるのですから不安は感じませんでしたけれども、「賞味期間中に食べていたときとはだいぶ味が違うな」というのが率直な印象でした。
ただ、下痢には至りませんでしたし、「おなかの調子が少し変だ」という程度で終わりました。

リンゴジュース」へ

リンゴジュース

そして、「産直のリンゴジュース」についてですが、1か月前と10か月前と1年3か月前に賞味期限の切れていた(ガラス瓶内に入れられて金属製の蓋で密封された常温保存中の)ものを1ボトルづつ試飲してみました。

このうち、「1か月前に賞味期限が切れたリンゴジュース」は「おいしい」と思いながら飲ませてもらいましたし、体調に異変はまったく生じませんでした。

他方、「10か月前と1年3か月前に賞味期限が切れたリンゴジュース」を飲んだときには「製造日から日ごとに酸っぱさが増していくのかな」という印象を持ちましたけれども、下痢には至りませんでしたし、「おなかの調子が少し変だ」という程度で終わりました。

大分前に、宮城県外の小さなお酒屋さんで日本酒を買い求めたその日に封を切ってみたところ「驚くような味」だったので(賞味期限日をチェックすると「1年数か月前の年月日」が印字されていて)飲み込まずに処分したという嫌な思い出がありますが、
「果物100%のジュースの劣化はお酒の劣化と同じように早いのだろうか」と今は考えています。

ボトル飲料水」へ

ボトル飲料水

一方、「(冷蔵庫内の棚に眠っていた1年4か月前に賞味期限が切れた)コカコーラのペットボトル飲料水『いろはす』」と「(常温保存中の1年前に賞味期限が切れた)クロネコヤマト特選市場の密封パック入り飲料水『立山の天然水』」についてですが、飲んだときには「それほど劣化していないのでは」という印象を持ちましたけれども、共に「(下痢には至らなかったものの)おなかの調子が少し変だ」と感じさせられました。

そこで、コップ一杯分以降の2種の飲料水については電子レンジで沸騰させてから飲み水あるいはコーヒーとして消費しましたが、浄水器を通した水道水よりおいしい水でしたし、体調に異変はまったく生じませんでした。

『消費』か『処分』かの判断は早めにぜひ」へ

「消費」か「処分」かの判断は早めにぜひ

今回の試飲食で強く感じたのは「『メーカーの定めた賞味期限はゆとりを持たせたもの』というよく聞くお話は事実。でも、『飲食物の保存状態』と『賞味期限切れ後の期間』と『ご自身・ご家族の体調』などとの組み合わせの中で『おなかの調子が少し変だ』とか『下痢に至った』という事態が起きても不思議ではない」ということでした。

何回も起きる「余震」といつ終わるか分からない「停電・断水・断ガス」の中でご自身・ご家族が体調を崩すことにつながりかねない危険要因はあらかじめ取り除いておかれるべきでしょう。この試飲食結果レポートが、「お手持ちの賞味期限切れ飲食物」を消費しておくか処分しておくか判断される際のご参考になれば幸いです。

追記事項

(投稿日:2015/04/29  更新日:2020/06/30)

なお、賞味期限切れ商品の試飲食をめぐっては「『防災用非常食』の選び方と使い方」に記したようなかたちでの「賞味期限日から3年数か月経過した『パンの缶詰』の試食体験」も無事に終えることができていますが、
これらの試飲食体験を踏まえて現在は、「常温保存飲食物品名と冷凍食品名とを賞味期限日付きで列記した複数枚の大判のポストイット」を用意し、消費済み品については横線で消し新規購入品については書き加えていくことで、
「食あたりリスク最小化システムの維持更新の日常化」がほぼ確立できたように思っています。
また、農林水産省サイト内の児童生徒向けのページと思われる「消費期限と賞味期限」には「もし、賞味期限が過ぎた食品があったら、大人の方とそうだんしてから食べましょう。」と書かれていますが、
「在宅避難」などが強く勧められている中で「一般的でない条件が欠け落ちていることに『大人の方』が気づかずにお子さんを重症化させてしまう危険性」への配慮が欠けているように思わされていることをも付記させていただきます。