大別すると3タイプに
「巨大災害が発生したときには(停電で浄水場から配水できなくなって)断水が起きる」というのは常識ですが、
東日本大震災では浄水場・給水管・排水管・下水処理場の損傷が数多く発生し、原状回復までかなりの時間を要した地域もありました。
私の場合は、「『個人レベルの被災状況』のページ群」の中の「『ライフラインの崩壊』のページ群」内にある「断水」のページに記したように、「自宅では被災から2日半後、会社では1週間後に通水し、共に排水管の損傷が無かった」ので、いわゆる「トイレ問題」は被災後1週間で解決しましたが、
平時に戻ってから振り返るとき「会社でのトイレ問題」は、「『巨大災害の発生はありうること』と考えて準備していれば避けられたこと」と思われる、ほろ苦い体験の一つです。
ですが、巨大災害の起き方や自宅と勤務先などの建物内外での上下水道ネットワークの傷み具合によっては、(解決までの日数・月数が一般の方のイメージされている期間をかなり上回る)、「ほろ苦い体験」では済まないケースになってしまうものと思われます。
ということで、かなりの期間「トイレ問題」の渦中に身を置いて悩ましい日々をおくる可能性があることを念頭に置いたうえで、「トイレ問題を軽減するための防災グッズにはどういったものがあるのか」を、アマゾンのサイトに掲示されている「簡易トイレ」「携帯トイレ」「非常用トイレ」というキーワードで調べてみました。
すると、(「実際に使う機会がまだ来ていないのでレビューしにくいため」と推測するのですが)、「10件以上のカスタマーレビューが付いているのは16の商品だけ」という少なさでしたけれども、
「車中や外出先で使う商品」、「断水時の自宅などで使う商品」、「自宅で使うポータブル・簡易トイレ」
に大別できることが分かりました。
「車中や外出先で使う商品」へ
車中や外出先で使う商品
また、一つ目の「車中や外出先で使う商品」のうち、
3点ある「『おしっこ』を『凝固剤』でゼリー状に固めて『密封袋』内に収容する製品(A)」は、価格が1個109円~117円、重さが14g~18g、サイズが13~16cm×22~24cmで、カスタマーレビュー数の合計が119件、
2点ある「『おしっこ』と『うんち』を『密封袋』内に収容する製品(B)」については、
その中に1点ある「『凝固剤』で固める方式の製品(Bー1)」は、価格が1個119円、重さが60g、サイズが35cm×30cm×11cmで、カスタマーレビュー数が32件、
残るもう1点の「アルミ蒸着処理をした『密封容器』を使用する方式の製品(B-2)」は、価格が1個540円、重さが42g、サイズが34cm×17cm×14cm(使用前サイズは11cm×8cm×2cm)で、カスタマーレビュー数が11件、
ということも分かりました。
断水時の自宅などで使う商品
一方、二つ目の「断水時の自宅などで(洋式トイレ、ポータブルトイレ、バケツなどに『汚物処理袋』をセットして)使う商品」のうち、
4点ある「『凝固剤(吸水シート)』を投入して凝固させた『おしっこ』や『うんち』を同梱された『汚物処理袋』内に収容する製品(C)」については、
その中に3点ある「『凝固剤』を投入する方式の製品(Cー1)」は、価格が1組90円~129円、『凝固剤』の重さが9g~15g程度、『汚物処理袋』のサイズが50~65cm×65~80cmないしは45リットルで、カスタマーレビュー数の合計が157件、
残るもう1点の「『吸水シート』を投入する方式の製品(Cー2)」は、価格が1回分56円で、(重さとサイズについての製品説明は書かれていませんでしたけれども)、カスタマーレビュー数が60件、
5点ある「(『汚物処理袋』が同梱されていない)『おしっこ』や『うんち』を凝固させるために投入する『凝固剤』だけの製品(D)」については、
その中に2点ある「1回分づつ包装されている『凝固剤』を投入する方式の製品(Dー1)」は、(別途10件以上のカスタマーレビューが付いている4点の価格が1袋13円~25円になっている『汚物処理袋』の購入が必須条件となりますが)製品価格が1回分38円~51円、一袋の『凝固剤』の重さが8g~10g程度で、カスタマーレビュー数の合計が58件、
残るもう3点の「一袋内の『凝固剤』を1回分づつスプーンで振り掛けて投入する方式の製品(Dー2)」は、(すぐ上の製品と同じで別途10件以上のカスタマーレビューが付いている4点の価格が1袋13円~25円になっている『汚物処理袋』の購入が必須条件となりますが)製品価格が1回分15円~65円、1回分の『凝固剤』の重さが10g~20gで、カスタマーレビュー数が92件、
ということも分かりました。
自宅で使うポータブル・簡易トイレ
さらに、三つ目の「自宅で使うポータブル・簡易トイレ」のうち、
1点ある「在宅介護で使用されている方もいらっしゃる専用バケツ付きの『ポータブルトイレ』(E)」は、価格が1個3,759円、重さが3.25kg、サイズが49cm×41cm×37cmで、カスタマーレビュー数が29件、
1点ある「簡単に組み立てられる『本体』『脚』『便座』に、5組の『凝固剤』『汚物処理袋』がセットされた『非常用簡易トイレ』(F)」は、価格が1個3,899円、重さが0.75kg、組み立て時サイズが30cm×31cm×32cmで、カスタマーレビュー数が33件、
ということも分かりました。
「非常用トイレの用意」のお勧め
「『個人レベルの被災状況』のページ群」の中の「『ライフラインの崩壊』のページ群」内にある「断水」のページに記したことですが、「同じマンションに住まわれていた方から、断水に伴う水汲みの際に、階段ですれ違いざまに『トイレは使えないし、死にそうだ』と呻くように言われたこと」は東日本大震災をめぐって起きた忘れられない出来事の一つです。
私個人の「トイレ問題」は同じページに書いたような備えもあって深刻にはなりませんでしたし、その後「『個人レベルの復旧作業』のページ群」の中の「『追加の防災対策』のページ群」内にある「自宅内での緊急的な追加防災対策」のページに記したように「風呂水の保存」が追加されていますので、「自宅でのトイレ問題対策はそれなりにできているはず」と自己評価していますが、
外出時にどのような状況下で、どの程度の災害に遭遇するかは分からないことですから、「私の常時携帯品の中には『非常用トイレ』が含まれている」とはいえ、「外出先でのトイレ問題については不安がいっぱい」というのが率直なところです。
東日本大震災当日の仙台市内のコンビニの対応については感謝の声が「各新聞社への個別店名を入れての投書」というかたちでたくさん寄せられていましたし、その後、国と自治体とが直接・間接に勤務先などへの防災対策の強化を働きかけてきていますので、
首都直下地震や南海トラフ地震などが起きて帰宅困難者になられたときに「どうしよう」と途方にくれずに済むのかもしれませんけれども、(「どれだけの『帰宅困難者』と『その中で避難所避難者化する人』が発生するか」は事前にだれも分かりませんし)、最低限の自衛策を取られておかれた方が良いことは言うまでもありません。
また、断水時には飲料水と食器を洗う水などの確保に苦労することが事前に分かっているわけですから、飲料水の次に必要とされる生活用水の節約に役立つ非常用トイレの備蓄をあらかじめやっておかれた方が良いことも同様です。
いずれにしても、常時携帯品と非常持出品と自宅内備蓄品の一つとして非常用トイレを
ご自身の置かれている状況や持たれている関心事項などに応じて用意されておかれることを、強くお勧めいたします。
(投稿日:2015/04/07 更新日:2020/06/23)
なお、今、新型コロナウイルスへの感染抑制策として「被災する危険性を認識したときには『定められた避難所』へだけ向かうのではなく、『在宅避難や親戚・知人宅への避難や車中泊など避難先の分散化』も個々人(個々の家庭)で検討して」というキャンペーンが展開され始めました。
が、その時に備えて分散化避難先で用意しておくべき防災グッズに触れた記事はあまり書かれていないように思えます。分散避難キャンペーンは見えない形で「最低限の『飲料水』と『食料品』と『非常用トイレ』は個々人(個々の家庭)で備蓄しておいてね」と語っているという事実についてもご留意をいただけると幸いです。