理解不足だった「住宅地震保険」 | 地震保険

エレベーターホール脇の壁面が欠けたマンションも[引用元:Yahoo! JAPAN「東日本大震災 写真保存プロジェクト」]

エレベーターホール脇の壁面が欠けたマンションも[引用元:Yahoo! JAPAN「東日本大震災 写真保存プロジェクト」]

もくじ


住宅地震保険の訪問査定は念のためのもの

電話査定は現地対策本部員氏が手短に

住宅地震保険については、
(被災当日から3か月半が経過した)6月下旬にマンション管理組合からの案内を受けて損保会社の仙台対策本部に電話をしたところ、
家財保険のときとは違ってコールセンターからの電話取材はなく、査定員氏から直接アポ取りの電話があって、その日から9日目に訪問査定がありました。

「損傷個所候補リスト」を作成

この訪問査定は「自動的に『一部損』と査定された専有部分を対象とした念のためのもの」という前提でセットされたものでしたが、
訪問予定日まで日数があったので家財保険のときと同じようにデジタルカメラで自宅内の建物損傷個所と思えるところを詳細に撮影し、
会社に置いてあった私物のプリンターで画像をA4サイズの用紙にカラーで印刷して、
「(『該当する』『該当しない』にかかわらない)損傷個所候補リスト」をつくりました。

「訪問査定」は被災者の心配点解消訪問?

そして、予定された日時に1時間20分に及ぶ査定員氏の訪問査定を受けましたが、家財保険のときとは違って、冒頭にあったのは
「建物被害の査定が『一部損』なので専有部分も自動的に『一部損』となりますが、ご心配点があったらおっしゃってください」
といったお話でしたので、頭の中に入っていた「自作の『損傷個所候補リスト』」に基づく心配個所を総括的に説明してから、現場現場で被害状況を観察してもらっては解説を受け、その後、損保会社へ持ち帰る現況写真を撮影してもらうことを繰り返しました。

途中、「私はマンション管理士の資格も持っているのですが、こういった現象は初めて見たので、詳しい人に聞いてみましょう」と仙台近郊の温泉ホテルで相部屋の方と思われる別の査定員氏に携帯電話を入れてくれ、不安を解消してもらえた場面が一番印象的でしたけれども、
被災者の抱える悩みを小さくでき、ご自身は保険金支払先の現況写真を撮影でき、判定結果は事前に決まっているわけですから書類への押印などの事務的作業も短時間で済ませられて、査定員氏にとっては「納得のいく良い仕事」であったのではないか、と推測しています。

『居住者の不安軽減』には有効な訪問査定」へ

「居住者の不安軽減」には有効な訪問査定

なお、私にとっても、もともと判定の変更を求める対話は予定していない訪問査定でしたので、
すべての心配個所で「観察結果とご自身の持つ専門家としての知識」を組み合わせた解説を受けることができましたし、
さらに「梁や壁紙に亀裂が大量に入ってますから、こういった状況を初めて目にされると、多くの方は『上の階が落ちてくるんじゃないか』とすごく心配されるんですが、その可能性があるときには建物全体の査定で『半損』とか『全損』の査定になってますからご心配はいりません」というお話を聞かされ、
本当にホッとさせられた訪問査定でした。

追記事項
2017年1月1日にスタートした現行制度での支払保険金額は住宅地震保険についても、 「全損」=契約金額の100%、 「大半損」=契約金額の60%(「全損」の6割)、「小半損」=契約金額の30%(「全損」の3割)、「一部損」=契約金額の5%(「全損」の0.5割)、 へと改訂されています。
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