「防災用懐中電灯」の選び方と使い方

防災用懐中電灯の一例

防災用懐中電灯の一例

「被災時の危難」から逃れるための道具

先日の投稿記事「『防災用ヘッドライト』の選び方と使い方」に書いたように、
「防災用ランタン」は「(ほのかな明かりを用いて)暗闇の中での生活」を避けるための道具で、
「防災用ヘッドライト」は、手荷物などを持って避難したり、転倒・散乱している家財を夜間に整理して「食事や睡眠用の場所」を確保する際などに役立つ道具です。

ということは、災害が発生して停電状態となり真っ暗闇の空間に身を置くようになったときに備えて、
自宅内であれば被災状況を把握して(「脱出」なのか「救助を待つ」のか「個人レベルの復旧作業に取り掛かる」のかなど)直後にやるべきことの準備に入るために、
また外出先であれば(「関係者が適切に誘導してくれる」という保証はどこにもありませんから、ご自身で状況を把握して)建物やエレベーター内から最適な方法で脱出するためなどに、
「(すでに準備済みの『防災用ランタン』や『防災用ヘッドライト』が役立つケースもあるでしょうけれども)、何らかの『明かり』を用意しておくことが必要だ」ということになります。

もし、「用意しておくべき何らかの『明かり』は何でしょう」という問いかけがなされたとすれば、ほとんどの方から「懐中電灯」というお答えが返ってくるのでしょうが、
私自身には東日本大震災で被災してみるまで「『普通の懐中電灯』で十分なのか」あるいは「『防災用懐中電灯』と呼ばれる製品群の方がより良いのか」を深く考える機会がまったくありませんでした。

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大別すると7タイプに

また、最近に至るまで「『被災時の危難から逃れるための道具』としての懐中電灯」についてタイプ分けをする思考機会もありませんでしたので、
今回、「スーパーやコンビニの店頭で売られて懐中電灯とどう違うのだろうか」といった問題意識を持ちながら、アマゾンのサイトに掲示されている「防災用懐中電灯」を調べてみたところ、

(「100件以上のカスタマーレビューの付いている商品が24点も」という数の多さに驚きましたけれども)、

「単3・単4・ボタン電池を使用するハンディライト、キーライト(9点)」、
「単1・単3電池を使用するランタン、ランタン兼ハンディライト(5点)」、
「単3・ボタン電池を使用するヘッドライト、ヘッドライト兼クリップライト(2点)」、
「ボタン電池を使用するネックライト(3点)」、
「単3電池を使用するセンサーライト兼ハンディライト(2点)」、
「単3電池を使用するワークライト兼ハンディライト(1点)」、
手回し発電式のラジオ付き懐中電灯(2点)」

に大別されることが分かりました。

単3・単4・ボタン電池を使用するハンディライト、キーライト」へ

単3・単4・ボタン電池を使用するハンディライト、キーライト

さらに、「単3・単4・ボタン電池を使用するハンディライト、キーライト」のうち、

5点ある「単3電池1~3個使用ハンディライト(A)」は、価格が1個598円~1,791円、明るさが26~400ルーメン、実用点灯時間が約10~60時間、サイズが長さ約9~15cm×直径約3~5cm、重さが約60~150gで、カスタマーレビュー数の合計は914件、

3点ある「単4電池1~3個使用ハンディライト(B)」は、価格が1個684円~1,973円、明るさが26~150ルーメン、実用点灯時間が約10~12時間(1点は不明)、サイズが長さ約9~11cm(1点は不明)×直径約2~3cm、重さが約60~100gで、カスタマーレビュー数の合計は1,163件、

1点ある「ボタン電池4個使用キーライト(C)」は、価格が1個674円、明るさが15ルーメン、連続点灯時間が約8時間、サイズが長さ約4cm×直径約1cm、重さが10gで、カスタマーレビュー数の合計は224件、

ですので、(A)と(B)と(C)との総カスタマーレビュー数は2,301件ということも分かりました。

その他のライト」へ

その他のライト

そして、カスタマーレビュー数の合計が1,380件になっている「単1・単3電池を使用するランタン、ランタン兼ハンディライト(5点)」は3月3日付の投稿記事「『防災用ランタン』の選び方と使い方」で取り上げたものの一部で、
カスタマーレビュー数の合計が908件になっている「単3・ボタン電池を使用するヘッドライト、ヘッドライト兼クリップライト(2点)」と「ボタン電池を使用するネックライト(3点)」は3月5日付の投稿記事「『防災用ヘッドライト』の選び方と使い方」で取り上げたものの一部なのですが、
これらは「防災時に懐中電灯的な機能を有するもの」として「防災用懐中電灯」の紹介対象商品に含まれたものと理解しました。

また、カスタマーレビュー数の合計が637件になっている「単3電池を使用するセンサーライト兼ハンディライト(2点)」と「単3電池を使用するワークライト兼ハンディライト(1点)」についても、同じような視点から「防災用懐中電灯」の紹介対象に含まれた商品と考えました。

なお、カスタマーレビュー数の合計が216件になっている「手回し発電式のラジオ付き懐中電灯(2点)」については、
(「手回し式の製品は使用するたびに疲れがたまっていくので役立たない」という悪い評判を東日本大震災の後に何人かの方から聞いたということもありますし)、
商品説明とカスタマーレビューを読んでも私自身がそれらの持つ機能と購入メリットとをよく理解できませんので、現時点ではコメントを差し控えます。

『懐中電灯と電池との用意』のお勧め」へ

「懐中電灯と電池との用意」のお勧め

いずれにしても、大規模災害の直後から始まる「いつ復旧するか分からない広い範囲での停電」への備えは、「しておかなければ恐らく後悔する局面がやって来るレベル」の極めて必要度の高い準備作業です。

私自身は、東日本大震災の何年も前から「マグライトの最も小さくて軽いもの」を用意していましたし、2011年の3月11日以前から各々複数台の「(所在場所を知らせるために)赤のLEDランプがまばたき点滅し続ける非常用懐中電灯」と「一般に売られている懐中電灯」を自宅内に置いていましたが、
被災直後の反省を踏まえて「防災用ランタン」と「防災用ヘッドランプ」と複数台の「単3電池を使用するセンサーライト兼ハンディライト」を追加購入しました。
電池の備蓄もそれなりに行っていますし、「今ここで真っ暗になったら一番近いところにある非常用ライトはどこだ」という(防災専門家の方々が言われるイメージトレーニングに相当する)思い起こしはほぼ毎日行っています。

「震度6弱」の地震を1か月の間に2度経験することがなければ、「『また起きるかも』あるいは『もっと厳しい状況下に置かれるかも』といつも考えているなんて取り越し苦労だよ」という心境のままであったかもしれませんが、
「大規模災害直後から真っ暗闇の中に置かれかねないこと」を知ってしまい、「食糧や電池のように日々消費されていく商品が被災後しばらくの間は店頭から姿を消し人々が困り果てた社会」も現実に見てしまっていますので、
潜在的な大規模災害被災者の方々には、常時携帯品・非常持ち出し品・備蓄品の一つとして「懐中電灯」を(「乾電池やボタン電池」と併せて)ご自身の置かれている状況や持たれている関心事項などに応じて用意されておかれることを、強くお勧めいたします。

追記事項

(投稿日:2015/03/23  更新日:2020/06/20)

なお、少し上の部分に記した「単3電池を使用するセンサーライト兼ハンディライト」はその後、状況に見合った点灯をしなくなりましたので、今は(普通の懐中電灯と同じように)必要とするときに電源をオンにして使用しています。「センサー付きの照明器具より点滅し続けるパイロットランプ付きの照明器具の方が非常時に低リスク」と思わされておりますことを付記いたします。