おおむね12点の教え
被災時の対応策についての防災資料と防災書籍の教えを大まかにまとめると
(1)「オフィスで被災したときは真っ先に机の下にもぐるのが原則で、その後、余震に気をつけながら屋外へ脱出」
(2)「エレベーター内で被災したときはすべての階のボタンを押し、停止した階で降り、非常階段で避難」
(3)「商業施設で被災したときは、転倒物・落下物・破損ガラスに気を付けながら、屋外に避難」
(4)「地下街で被災したときは、相対的に一番安全な場所なので、揺れがおさまるのを待って地上に避難」
(5)「劇場・ホールで被災したときは、シートの間にうずくまって頭を守り、出口に殺到する人たちの転倒事故などに巻き込まれないよう揺れがおさまった後に管理者の指示にしたがって避難」
(6)「地下鉄や列車内で被災したときは、勝手に脱出すると危険なので、乗務員の指示にしたがって避難」
(7)「車の運転中に被災したときは道路の左端に停車させ、ラジオから火災・津波・土砂崩れ情報を収集後、キーを付けたままドアロックをしない状態で車を残して徒歩で避難」
(8)「歩行中に被災したときは、落下物・転倒物・崩壊物よって怪我をする可能性があるので、頭上に注意しながら避難」
(9)「自宅内で被災したときは、机の下などにもぐり、本震がおさまったところで屋外へ避難」
(10)「自宅の軒下や庭で被災したときには落下物の少なそうなところへ避難」
(11)「自宅を離れるときには、通電再開時の火災発生を防ぐために、メインブレーカーを必ず落として避難」
(12)「津波がありうる地域で被災したときには、津波警報の発令を待たずに、より高い場所へすぐ避難」
といった内容になります。
行間に読み取れる「常にイメトレ習慣を」
「被災状況(思い知らされた防災対策の不十分さ)」のページ群に記したように、東日本大震災が発生した時に私自身が遭遇したのは当然その中の一場面だけなのですが、
「『あなたやご家族が巨大地震で被災する場面はこうだ』と事前に決めきれないのだから、『今いるこの場所でもし被災したらどうする』と(できればCGを含めた発災時に起き得ることについてのテレビ放映画像なども思い浮かべられて)常にイメージトレーニングを繰り返す習慣をぜひ身に着けて」
という執筆者の方々のお気持ちが強く伝わってくる内容となっています。
「我ながらの被災時への備え不足」に懲りた私自身は、被災体験記ノートへの投稿記事「『防災用懐中電灯』の選び方と使い方」に記したように、「ここで真っ暗になったら一番近いところにある非常用ライトはどこだ」という(防災専門家の方々が言われるイメージトレーニングに相当する)思い起こしなどをほぼ毎日行っていますけれども、
実際に「震度6弱以上の地震」を一度も体験されていない方々にとっては、(「発災時に何が起きるか」を正しく想定する経験知=ゼロの領域でのことですから)、「イメトレの繰り返し」を常に行なっていくことはかなり大変なことなのだろうと思っています。
が、「巨大地震などで被災者になられた後に背負われる(物質的な面だけに限っても数か月間以上を要する)困難」を最小限に抑えるための努力はご自身で発災前にやっておくしかないのも事実ですので、
その前提として上に掲げた「おおむね12点の教え」については諳んじておかれることをお勧めしたいと思っています。