被害予測ページ群の構成
「2度も『震度6弱地震』で被災し『り災証明=半壊、家財保険=半損、住宅保険=一部損の判定』を受けた一仙台市民が改訂を重ねつつある『(国や自治体による被害調査データが存在する)2つの巨大地震などの被害予測』」を記した本ページ群は、
このページ内をスクロールした先に置かれた「自治体ごとの被害度をまとめた『第2章』部分・『人口比でみた被災者・避難者数』の大切さ」と、その下に置かれたナビゲーションボタンなどから各々のページにジャンプできる「『阪神・淡路』と『東日本大震災』の振り返り(全5ページ)」「『首都直下地震』の場合(全498ページ)」「『南海トラフ地震』の場合(全444ページ)」との、
947ページ構成になっています。
「『いつ、どのようなかたちで被災者になるか』が分からない中での自然災害への備えを自主的にどこまでやるべきか」については「正解はこれ」というものがないわけですけれども、
先行して巨大災害の被災地に身を置いた者の一人ですので「このページ群内に『気づきのヒント』を一つでも二つでも書き込むことができていると良いな」と強く思っています。
自治体ごとの被害度をまとめた「第2章」部分
当サイトの「第2章」部分にあたるこの「『巨大地震の被害予測分析』のページ群内の記事」の核心部分は、
東京都が2012年4月18日に公表した「首都直下地震等による東京の被害想定(リンク先:東京都防災ホームページ『首都直下地震等による東京の被害想定』)」と内閣府が2012年8月29日と2013年3月18日に公表した「南海トラフ地震についての被害想定」について、
PDFファイルをエクセルファイル化した上で集計し直し、さらに住民数など「被害想定報告書」には書き込まれていないデータと組合わせて各自治体ごとの被害度を算出した結果とその分析です。
実は、このページ群をまとめ始めた際には、
「ネット上にある自治体単位でデータが公表されている東京都と内閣府の防災関連資料」を追って行っても、(会場で配布された「資料(概要版)」をコンパクトにまとめてスピード第一で出稿し補足の取材結果を書き加えないからそうなっているのだろうと思うのですけれども)、「東京都が『首都直下地震では最大で約1万人の死者と約30万棟の全壊・全焼建物が発生』と発表」、「内閣府が『南海トラフ地震では最大で約32万人の死者と約238万棟の全壊・全焼建物が発生』と発表」という記事ばかりで、
「首都直下地震で対象53区市町村別に各々24通りある予測値がどうなっているのか」
「南海トラフ地震で対象40都府県別に各々96通りある予測値がどうなっているのか」
については「公表されている資料を集計し直してみないと分からない」という現実に直面させられ、
(「経営環境が一段と厳しさを増してきており、マスコミの調査報道能力の低下があってこうなっているのでは」と推測していますが、だからといって)各自治体には「『自分が被災者・避難者化する可能性は人口比でこれぐらい』と住民・通勤者・来訪客が把握できない状況を放置しておくこと」が許容されるのか、とある種の義憤すら感じました。
ですが、「行政や立法にかかわる人々の多くにとって『自助防災力の引き上げ』は巨大災害が発生したときへの備えの中ではそれほど優先順位の高い事柄でなさそうだ」という現実は「3.11」以降の年月の中でよく分かりましたので、
阪神淡路大震災から1年半が経過した時点で被災体験記ノート投稿記事「被災地ツアーの効果と限界」に記したようなかたちで神戸市・宝塚市での被災状況を見させていただく機会もありましたし、東日本大震災で宮城県と仙台市でどのようなことが起きたかについては実際に被災地生活を体験してきてかなりのことが分かりますから、私程度の人間でも「想定されている2つの巨大地震の被害想定をまとめ直して分析することで潜在的な被災者・避難者の方々のお役に立てるのかな」と考え、
各自治体ごとの被害想定ページなどの改訂作業に取り組みつつあるというのが現状です。
「人口比でみた被災者・避難者数」の大切さ
「震度6弱地震を2度」といった被災体験をしていない方々にとっての防災対策は、テレビでよく放映されている「『災害が起きそうだ』という自治体からの連絡を受けた方などが避難所内で心配しながら災害報道番組を見入っている光景の生中継が始まる少し前にあったはずの、『自宅から避難所へのリックを背負っての移動』的なイメージのもの」ではないかと推測しているのですけれども、
各自治体ごとの被害想定ページなどに描き出された「(最悪の場合の)人口比でみた被災者・避難者数」を詳細に見ていくと、
巨大災害発災時に被災者お一人おひとりの身に実際に起きることは、おそらく想定を超えたずっと厳しい事態になるのではないかと考えます。
ところが、これまで閲覧してきたお役所サイトを振り返っただけでも、
東京23区の区役所サイトの中には自助防災支援マインドのきわめて低い執筆者や管理監督者がつくったものを放置しているケースがいくつかありますし、
関東地方1都6県の中で茨城県だけは(2016年1年間に県庁所在地の水戸市で「震度4地震」を9回も記録している普通ではない状況下だというのに)県庁サイト内に「市町村別の被害想定」を載せていないということもありますし、
神奈川県は「市町村別の被害想定」を、「平均風速ケースとその2倍程度の強風ケース」で算出している1都4県と違って、(平均風速の4倍程度の「関東大震災時並みの強風(リンク先:内閣府・中央防災会議「広報ぼうさい第14回『1923年関東大震災ー火災被害の実態と特徴ー』」)」下で発災したときには「『想定外』で逃げるつもりですか」という疑念すら抱いてしまいましたけれども)、「(『強風ケース』が含まれないので被害度・避難度が低めになる)平均風速」だけで算出しています。
また、そもそも関東地方の都庁・県庁サイトの中には閲覧性の高い自助防災関連ページ群がほとんどない、という残念な事実もあります。
であるとすれば、被災者予備軍の方々は、
「すごい地震が起きるらしいから防災対策をしておかなければ」と漠然と考えている状態で時の流れに身を任せるのではなく、
「東京都と内閣府の調査によれば、自分の住んでいる自治体で巨大地震が発生した時の被害について、(地震の起き方によって算出結果は違っているけれども)、この幅で想定されている。大震災のときの『兵庫県』『神戸市』『宮城県』『仙台市』の被害・避難状況データと比較すると想定される自分の被災体験はこの程度になりそうだ。支援の手を差し伸べる側に立てるかもしれないが、厳しい生活が待っている可能性もあるので(帰宅対策と避難対策だけではない)防災対策を少しずつ強化して行こう」と考えて、自己責任で行動を積み重ねていくしかない、ということになりましょう。
防災の専門家ではありませんので力不足は否定できないところですけれども、私には「東日本大震災の発災以降に体感し見聞きした宮城県と仙台市での社会状況」との比較が可能というアドバンテージがありますので、「多くの方がいま思われているよりかなり厳しい耐乏生活を余儀なくされる日々」がやってきたときに備える上でのなにがしかのヒントをこのサイト上に書き留めることができるのではないかと思っています。
「『阪神・淡路』と『東日本大震災』の振り返り」、「『首都直下地震』の場合」、「『南海トラフ地震』の場合」、について以下のページに記述します。