首都直下地震での想定負傷者数（内閣府）

マグニチュード７クラス地震の最大想定負傷者数は約１２３，０００人

次に、「負傷者数」についてですが、「今回（２０１３年）の新想定」では

（１）「都心南部直下地震」が、（１－ａ）冬の夕方１８時に発生したら約１１２，０００人～約１２３，０００人、（１－ｂ）夏の昼１２時に発生したら約８７，０００人～約９０，０００人、

（２）「大正関東地震タイプの地震」が発生したら約１９０，０００人～約２４０，０００人

としています。

「最大想定負傷者数は同じシーンであれば減少」へ

最大想定負傷者数は同じシーンであれば減少

「前回（２００５年）の想定」で「負傷者数」は

（１）「東京湾北部地震」が冬の夕方１８時に発生し、（１－ａ）そのとき関東大震災並みの風速１５ｍ／ｓという強風が吹いていたら約２１０，０００人、（１－ｂ）阪神･淡路大震災並みの風速３ｍ／ｓという比較的弱い風が吹いていたら約１８０，０００人、

（２）夏の昼１２時に発生し、（２－ａ）そのとき風速１５ｍ／ｓという強風が吹いていたら約１７０，０００人、（２－ｂ）風速３ｍ／ｓという比較的弱い風が吹いていたら約１４０，０００人

とされていましたから、
（この間の「耐震性が低い昭和５６年以前の木造建築棟数の大幅減少」を反映してのことだと思うのですが）
想定負傷者数は同じ想定シーンであれば減少しています。

「１都３県の平均想定値は約３００人に一人」へ

１都３県の平均想定値は約３００人に一人

なお、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県という１都３県の推計人口は２０１３年４月１日現在で合計３５，６８８，２５１人ですので、
（１）「都心南部直下地震」での最大負傷者数は１都３県民の約３００人に一人、（２）「大正関東地震タイプの地震」での最大負傷者数は約１５０人に一人となります。

阪神・淡路大震災の際に「神戸市の負傷者が市民１０４人に一人」で「兵庫県の負傷者が県民１３８人に一人」であったことを思い返すと、
（想定死者数の場合と同じで）、１都３県の平均想定値でこのようなことなのですから、地震の起き方次第では深刻な事態に直面させられる自治体が数多く生じるかもしれませんし、
もし関東大震災のとき並みの風速１５ｍ／ｓという強風が吹いていたら「今後３０年間の発生確率７０％とされているマグニチュード７クラスの地震（＝都心南部直下地震）」でも「大正関東地震タイプの地震（＝マグニチュード８クラスの地震）」により近い最大死者数になってしまうかもしれませんし、
こちらも心配は尽きないところです。