身をもって知った自主防災の大切さ

『想定被害状況』と『取るべき自主防災対策』

もくじ

  • 想定の被害状況をまとめたVTR
    • 「首都直下地震」のシミュレーション結果
    • ケース別の「想定被害状況」と「取るべき自主防災対策」
    • 居住地域別の「想定被害状況」
  • 「居住地域別の危険度」と「VTR出典データの検証」
    • 「地震危険度を表した分布図」は相対的な危険度の試算
    • 「VTR出典データ」は確かに存在

想定の被害状況をまとめたVTR

「首都直下地震」のシミュレーション結果

次いで、「第1部」に相当する「首都直下地震の『想定被害状況』と『取るべき自主防災対策』の部」の第1のパートでは、
進行役の山﨑夕貴アナウンサーからの「では実際に、首都直下地震が起きたときに、自分たちがいる場所はどのような危機的な状況に陥るのか、『想定の被害状況』をまとめたVTRをまずはご覧いただきましょう。」という紹介を受けて、

「首都圏に甚大な被害をもたらす首都直下地震。内閣府の発表によると、この先30年以内に首都直下地震が起きる確率70%。巨大地震はいつ起きてもおかしくない。
92年前に起きた首都直下地震、いわゆる関東大地震は日本災害史上最大級の被害をもたらしている。そんな巨大地震がまさに今、金曜夜8時に首都圏で起きたらいったいどうなるのか!?
防災・危機ジャーナリストの渡辺先生監修の下、そのシミュレーションをやってみた。

ケース別の「想定被害状況」と「取るべき自主防災対策」

山手線

もしもあなたが山手線に乗っていたら・・・
一日600万人以上が利用する山手線。金曜夜8時にも仕事帰りのサラリーマンなど、多くの乗客が利用している。そこに巨大地震が発生すると、最高時速90キロで走る車両が脱線し、横転。
車内では乗客たちが押しつぶされ、多くの死傷者が!
過去に起こった福知山線脱線事故では、窒息死と圧迫死で多くの乗客が、命を落としている。

地下鉄

もしもあなたが地下鉄に乗っていたら・・・
金曜夜8時といえば、地下鉄も多くの帰宅者が利用している時間だが、ホームやトンネルは、マグニチュード7を想定した耐震補強がされており、天井や柱が崩れる危険性は低い。
しかし、もう一つ恐ろしい事態が、それは浸水事故。中でも、大きな被害を受ける可能性があるのは東西線。東西線は、線路が地上から地下へと繋がっているため、荒川の堤防が決壊するとそのまま水が流れ込み、最悪の場合、水没してしまう可能性も考えられる。

首都高

もしもあなたが首都高を運転していたら・・・
首都高速道路は、阪神大震災を受けて耐震補強工事がほぼ完了。倒壊の可能性は低い。
だがドライバーたちにはこんな危険が。高架からの墜落。首都高は非常にカーブが多い道路。大きな横揺れで車ごと投げ出される危険が! 地震発生時には直ちに停車を。

繁華街

もしもあなたが繁華街にいたら・・・
多くの高い建物に囲まれた繁華街。
ここで巨大地震に遭遇すると! 最も恐ろしいのは頭上からの落下物!
巨大看板やガラス、室外機、さらには耐震基準を満たしていない建物が倒れてくる可能性も!
また、建物が多いことで恐ろしいのが、阪神大震災の時も目の当たりにした地震の後に同時多発する火災。
東京都が公表した火災の被害想定は、およそ800件。阪神大震災の3倍近い数の火災が同時に発生する。しかし、東京消防庁が所有するポンプ車は、およそ670台。大幅に数が足りていない。現在、対応策が検討されている。

自宅

では、もしもあなたが自宅にいた場合はどうなのか?
自宅が一軒家やマンションの安全性は、その建物がいつ建てられたかが重要。日本では、1981年6月に建築物の耐震基準が大きく改正され、今までの「震度5程度の地震に耐えうる住宅」という規定が「震度6強以上の地震で倒れない住宅」と変更された。
つまり、もしもあなたの住宅が1981年6月以前に建てられたものならば、倒壊してしまうかも知れない。とくに古い住宅は全壊する危険性も。基礎や壁の補強など事前に耐震対策を。

エレベーター

では、もしもあなたがエレベーターの中にいたら・・・
(2015年の)5月30日、最大震度5強を記録した、小笠原諸島沖の地震では首都圏で約1万9000台ものエレベーターが緊急停止。多くの人か閉じ込められたり、建物内に取り残される被害が発生した。
これに対し、首都直下地震によるエレベーター停止の被害想定はおよそ3万台。
すでに国は地震を感知して最寄りの階に停止する装置の取り付けを義務付けているのだが、まだ3割以上のエレベーターは設置されていない。
この装置がないエレベーターに乗っていると階の途中で停ってしまい、中に閉じ込められてしまう可能性も!
また、緊急停止したエレベーターはメーカーの技術者が現場に駆け付けないと、運転再開ができない。しかも、他社メーカーのものは触ってはならない。大地震の後、ただちに現場に駆け付けられるのか不安が残る。

居住地域別の「想定被害状況」

では今、自分たちが住んでいる地域は巨大地震でどうなってしまうのか?
この後、首都直下地震で最も被害を受ける町を発表!
今、関東大震災クラスの巨大地震が起きたら、自分たちの町はどうなってしまうのか?

実は、東京都都市整備局は首都直下地震を想定し、都内全地域の建物の倒壊や火災の危険性を測定。
各地域の地震危険度を発表している。その結果がこちら。
これは『地震危険度を表した分布図』。
茶色や赤色が危険度の高い地域なのだが、これを見れば一目瞭然。極端に危険度の高い地域は、いずれも荒川、隅田川沿いの下町地域。
ここは川に運ばれた土砂が堆積した地盤の緩い場所に古い建物が密集しているため、倒壊や火災の危険性が高いのである。
地震危険度の高い町のランキングも上位のほとんどがこの地域。そして地震の危険度が最も高いとされたのが、荒川区町屋4丁目。やはりここも、軟らかい地盤の上に古い建物が密集、道路の道幅も狭く、火を扱う町工場なども多い。現在、荒川区では延焼を防ぐ広い道路や避難場所になる公園の整備など対策を進めている。

では、ここで問題。都内23区で最も安全だといわれているのはどこでしょう? 松本さんお答え下さい。」という石坂浩二さんのナレーションが続きました。

『居住地域別の危険度』と『VTR出典データの検証』」へ

「居住地域別の危険度」と「VTR出典データの検証」

「地震危険度を表した分布図」は相対的な危険度の試算

そして、この質問に対して司会の松本人志さんが「銀座とか、あのあたりでしょう。区で言うと中央区?」と答えた後、進行役の山﨑夕貴アナウンサーから「渡辺先生、答えをお願いします。」という発言があり、
渡辺実先生が「はい。それは板橋区なんです。これはもう山の手ということで地盤が良いんですね。でも、板橋区の中にも木造住宅密集地域があるんですね。ですから火災の危険は背負っているところがありますね。2番目は練馬区です。で、3番目が千代田区です。千代田区は硬い建物が非常に多いんです、オフィス街で。そのせいもあるのですね。あくまでも、これは東京都が試算した『相対的な危険度』を表しているんですね。」と答えられました。

「VTR出典データ」は確かに存在

なお、VTRの中では、
(A)「『内閣府の発表による30年以内の地震発生確率』の出典は『これまでの首都直下地震対策について 内閣府』」、
(B)「『東京都が公表した火災の被害想定』の出典は『首都直下地震等による東京の被害想定 東京防災会議』」、
(C)「『東京消防庁が所有するポンプ車数』の出典は『第66回東京消防庁統計書』」、
(D)「『首都直下地震によるエレベーター停止の被害想定』の出典は『首都直下地震の被害想定と対策について 中央防災会議』」、
(E)「『地震危険度を表した分布図』の出典は『地震に関する地域危険度測定調査(第7回)東京都都市整備局』」
という説明も付されていましたので調べてみると、

(A)については「内閣府 防災情報のページ」にあるPDFファイル「これまでの首都直下地震対策」の3ページ目「首都直下地震の切迫性」に、
(B)については「東京都防災ホームページ『 首都直下地震等による東京の被害想定(平成24年4月18日公表)』」にあるPDFファイル「首都直下地震等による東京の被害想定 概要版」の43ページ目「出火・延焼計算結果(ゆれによる出火件数)」に、
(C)については「東京消防庁電子図書館『 第66回東京消防庁統計書(平成25年)』」にあるPDFファイル「第1編 現勢」の3ページ目「車種別消防車両等の配置定数」と
内閣府 防災情報のページ」にある平成25年12月公表のPDFファイル「首都直下地震の被害想定と対策について 最終報告」の35ページ目「火災対策(消防ポンプ自動車数)」に、
(D)については「内閣府 防災情報のページ」にあるPDFファイル「首都直下地震の被害想定と対策について 別添資料1 ~人的・物的被害(定量的な被害)」の28ページ目「エレベータ内閉じ込め(閉じ込めにつながり得るエレベータ台数)」に、
(E)については「東京都都市整備局サイト『 地震に関する地域危険度測定調査(第7回)』」に、
出典データが確かに存在することを確認できました。