身をもって知った自主防災の大切さ

千代田区想定死者数データの特殊性

突出した千代田区の昼間人口比率

53区市町村の中では「(01)千代田区」の想定死者数の最大値だけが、「東京湾北部地震が起きた時に147人に一人」という、非常に高い数値となっています。
これは東日本大震災の際の「宮城県の死者・行方不明者数(200人に一人)」と阪神・淡路大震災の際の「神戸市の死者・行方不明者数(333人に一人)」とを上回る値です。

東京都内には昼間人口が夜間人口を上回っている自治体が15区市町ありますけれども、
17倍の千代田区以外は、5倍の中央区、4倍の港区、3倍の渋谷区、2倍の新宿・台東・文京区、1.5倍未満の豊島・品川・江東・墨田・目黒区と立川・武蔵野市と瑞穂町で、
千代田区の17倍は突出した数字ですので、ここでは実際に住んでいる人の人口比とかなり違うデータを掲げているものと思われます。

そこで、まず上の15区市町での「死者数の最大値を含む地震タイプ」について「多くの方が就寝中の朝5時の2シーン」と「昼12時・夕18時の4シーン中の最大値」とを比較してみたところ、
千代田区が10倍、
中央区が1.6倍、
港区が1.9倍、
渋谷区が1.7倍、
新宿区が1.4倍、
台東区が1.2倍、
文京区が1.1倍、
豊島区が1.1倍、
品川区が2.2倍、
江東区が1.0倍、
墨田区が1.1倍、
目黒区が1.9倍、
立川市が1.1倍、
武蔵野市が1.4倍、
瑞穂町が1.2倍
となりました。

次に、昼間人口比率が2倍以上の千代田・中央・港・渋谷・新宿・台東・文京の7区について
「昼・夕の最大値に対する早朝の死者数の倍率」を「夜間人口に対する昼間人口の倍率」で割ってみたところ
係数は0.3~0.7の間に収まり、千代田区は0.6となりました。

ということは「これら7区では昼・夕の最大値が『早朝の死者数の倍率×昼間人口比率の30%~70%』になっている」ということを示していますので、
「『昼間人口比率=17倍』の千代田区では実際に住んでいる方々の人口比データを計算できず」という書き方にした方が良かったかも知れない
と今は考えています。