身をもって知った自主防災の大切さ

「小笠原沖M8.1地震報道」が教えてくれたこと

もくじ

今後の地震に備える契機に

「小笠原沖地震」の震度分布テレビ画面

昨日(2015年5月31日)正午からテレビ朝日系列で放映された「サンデースクランブル」の中で、その前日午後8時半ごろに発生した「小笠原諸島西方沖を震央地とする(速報値の8.5から下方修正された)マグニチュード8.1の地震」をめぐって、
「首都直下地震との関連で何か引き金になったりとか、このあたりはどうでしょうか?」という質問があり、
これに対して東京大学地震研究所の纐纈一起(こうけつかずき)教授は
「昨夜の地震は非常に遠いし非常に深いですから直接的な影響は考えづらいですけれども、いずれにせよ『今後の地震に備えていただく契機として考えていただく』というのが一番重要じゃないか、と考えます」
と答えておられました。

『防災面での大都市の弱さ』が浮き彫りに」へ

「防災面での大都市の弱さ」が浮き彫りに

「東日本大震災時の記憶」は明らかに風化

実際、気象庁の「震度データベース検索」 で調べてみると、
「阪神淡路大震災」が発生した20年前(1995年)の1月17日から昨日までに東京都千代田区大手町にある気象庁内の地震観測点で「震度4」を観測したのは15回、「震度5弱」を観測したのが1回、「震度5強」を観測したのも1回なのですが、

(1)「震度5強」を記録した4年前(2011年)の東日本大震災のときの「帰宅困難化や被災後の後片付けや節電の記憶」は風化し、

(2)「震度5弱」を記録した昨年(2014年)5月5日の地震は「こどもの日」休日の朝5時18分という「『エレベーターの障害や公共交通機関のストップで困惑させられる人々』が平日の日中から夜にかけての発生と比べると少ない時間帯」に起きたのであまり人々の記憶に残らなかった、

という状況の中での今回の「地震による首都機能マヒ」をめぐる報道が、
(私も六本木ヒルズ森タワー52階にある森美術館と森アーツセンターギャラリーには各々の開設記念展から何度も足を運んでいましたので超高層ビル上部での禁足状態化が他人ごととは思えなかったのですけれども)、
「『首都直下地震への個人としての対応を考える契機』になりうるという指摘」の部分については「そのとおり」と思っています。

個人としてやれることも多い「次の巨大災害への備え」

というのも、同じ気象庁の「震度データベース検索」で調べてみると、
「阪神淡路大震災」が発生した20年前の1月17日から昨日までに仙台市宮城野区五輪にある仙台管区気象台内の地震観測点で「震度4」を観測したのは(東日本大震災の本震後3時間以内に発生した4回を含めて)17回、後日「東日本大震災の前兆現象だった」と解説される「震度5弱」を観測したのが2回、東日本大震災とその大余震にあたる「震度6弱」を観測したのが2回なのですけれども、
地域の産業・経済・社会といろいろな側面での個人生活が大ダメージを受けてしまうと、(やれるやれないは個々人の置かれた状況によって違ってきますが)、「次の巨大災害への備えをやっておかなければ」という認識を被災地では皆さん共通して持たれるようになっているのに対して、
そういった体験をされていない首都圏の方々は「同じような認識をお持ちになられたら」と言われても持ちようがないのですから、
各種のメディアが提供した例えば「防災機能面での大都市の弱さ」といったキーワードでくくられる問題点の存在を認識し、可能な範囲で個人としての対応を考え、巨大災害の発生時に備えていただきたいためです。

私個人の『自主防災対策』の変遷」へ

私個人の「自主防災対策」の変遷

なお、私個人の、東日本大震災が発生する前の12年間に6回あった『震度4~5』の小規模被災経験とこれらを踏まえた『自主防災対策』については
「『被災前史』のページ群」内の「6回の『震度4~5』小規模被災経験」の中の諸ページと「これらを踏まえた『自主防災対策』」のページ
に記したとおりです。

また、東日本大震災で2度も「震度6弱地震」を体験してみて分かった「自己流の自主防災対策の弱点」を補うための対策については
「『個人レベルの復旧作業』のページ群」の中の「『追加の防災対策』のページ群」内にある「追加の防災対策トップ」のページと
自宅内での緊急的な追加防災対策」のページと
自宅内での減災用の追加防災対策」のページと
に記したとおりです。

さらに、東日本大震災後になされた「エレベーター閉じ込められ事故」「火山噴火」「集合住宅火災」「被災地での備蓄行動・意識の低下」の報道に触れての自主防災対策の改善については
2013年9月20日付の投稿記事「東京タワーエレベーター事故と2度の閉じ込められ体験
2014年9月28日付の投稿記事「御嶽山噴火と『外出時用防災グッズ』
2015年2月16日付の投稿記事「Mr.サンデーに学ぶ『集合住宅火災への備え』
2015年2月19日付の投稿記事「仙台市民の21.6%が『保存食や水の備蓄』を中止
に記したとおりです。

まさに「反省と改善」の繰り返しなのですが、お時間をお割きになれる方にとってはご参考になる部分もあろうかと考え、列挙させていただきました。

『自主防災態勢の構築』のお勧め」へ

「自主防災態勢の構築」のお勧め

いずれにせよ、この記事を読み進めてこられた方は、「3.11の東日本大震災後、日本列島は大きく変身した」という専門家の方々の解説を、最近の地震や噴火をめぐる報道の中で、以前より多く見聞きされるようになられているものと推察しています。

また、この「大きく変身」の先に「巨大災害の発生」が想定されていることはご承知のとおりですが、
ご自身の身を守った後には、インフラがマヒした社会での生活が待っていて、さらに私的な後片づけを進めながら勤務先でのお客様対応などの公的な活動を再開させることになりますから、
いま実感を持てない中でイメージされている以上に混乱するであろう世間を渡りきるために、「ご自身とご家族が被るダメージの最少化を図る事前の努力の蓄積」はすごく大切なことだとも考えています。

巨大災害の渦中に身を置かれるようになる前に、無理のない範囲で、どうか可能な限りより安全度を増す方向で自主防災態勢を構築されることを強くお勧めいたします。

(投稿日:2015/06/01  更新日:2017/05/03)

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